かつおのだしのとり方
ある奥様にかつおのだしのとり方はと聞くと、「水を鍋に入れ、沸騰してからあるいは沸騰直前にけずり節を入れ、次に煮立ったら火を止めてこすと教えられた」そうです。この奥様の話を化学的な成分の測定だけではなく、味覚的にも詳しく研究してみましょう!
1.沸騰させて入れるのは
まず、けずり節をなぜ沸騰あるいはその直前に加えなければならないのでしょう?
けずり節を水から入れた場合、30分水に浸してから加熱した場合、水を沸騰させてから加えた場合について比べてみましょう。
旨みの成分であるアミノ酸類は水から加えたものの方がわずかに多い程度ですが、生臭さは沸騰してから入れたものでは感じないのに、水から入れたものでは相当感じます。つまり水を沸騰あるいはその直前にけずり節を加えるというのはダシの生臭さを防ぐためなのです。
けずり節を水から入れた場合、30分水に浸してから加熱した場合、水を沸騰させてから加えた場合について比べてみましょう。
旨みの成分であるアミノ酸類は水から加えたものの方がわずかに多い程度ですが、生臭さは沸騰してから入れたものでは感じないのに、水から入れたものでは相当感じます。つまり水を沸騰あるいはその直前にけずり節を加えるというのはダシの生臭さを防ぐためなのです。
2.煮すぎると逆効果
次に、ほんのわずかな時間しか沸騰させませんが、果たしてこれでおいしい成分が出るものなのでしょうか?
そこでけずり節を何分沸騰させるのがよいかを調べてみますと、1分以内でほとんどおいしい成分が出ることがわかります。つまり1分以上煮るということは無駄であるばかりか逆に、おいしくない成分が出てきたり、良い香りが逃げてしまったりする悪結果のほうが多いのです。
そこでけずり節を何分沸騰させるのがよいかを調べてみますと、1分以内でほとんどおいしい成分が出ることがわかります。つまり1分以上煮るということは無駄であるばかりか逆に、おいしくない成分が出てきたり、良い香りが逃げてしまったりする悪結果のほうが多いのです。
3.かつおの水に対する量について
かつおの水に対する量については、お料理の本によって1~10%と色々です。そこで水に対するけずり節の量を2、4、8%にしてだしをとってみました。抽出されたおいしさの成分(アミノ酸類)はけずり節の量が2%の場合を1とすると4%で1.6、8%で2.5でした。つまり4%のものは2%に比べて1.6倍、8%では2.5倍程度のおいしさの成分(アミノ酸類)が出ていることになります。でも味は4%はたしかに2%の場合よりおいしいのですが、8%では濃厚すぎてあまりおいしくなく、その上渋みが感じられました。
このことからけずり節の量は水の量に対して4%ぐらいが適当だろうということになります。ただし相手が天然のものなので、かつおの種類によっては調整する必要があります。
このことからけずり節の量は水の量に対して4%ぐらいが適当だろうということになります。ただし相手が天然のものなので、かつおの種類によっては調整する必要があります。
4.粉の多いけずり節は不便
お次はかつお節は削ったままでよいか、はたまた粉末にしたほうがよくだしが出るか?という問題です。
両方を比較した結果ではほとんどがおいしい成分の出方には違いがありませんでした。粉末にするとあとからこしにくいので、かえって不便です。
両方を比較した結果ではほとんどがおいしい成分の出方には違いがありませんでした。粉末にするとあとからこしにくいので、かえって不便です。
5.けずり節をこすタイミングについて
けずり節をこすタイミングについて、火を止めたらなるべく早くこしわけるか、ダシがらが底に沈むのを待ってこすと良いと言われます。これはせっかく出たおいしい成分が再びダシがらに吸着してしまうからです。火を止めてから数時間も放っておくことはないでしょうが、4時間放置すると3分の1近くのおいしい成分が減ってしまいます。これはダシがらの主成分がタンパク質であるためです。タンパク質はこういった成分を吸着する相当強い性質を持っているからです。ですからなるべく早くこのタンパク質から出たおいしい成分をこし分けたほうがよいのです。
ちなみにダシがらが底に沈むのを待つなら、塩を1つまみ入れるとよいといわれます。これは食塩がタンパク質とくっついてタンパク質の性質を変え、吸着しにくくなるためです。
ちなみにダシがらが底に沈むのを待つなら、塩を1つまみ入れるとよいといわれます。これは食塩がタンパク質とくっついてタンパク質の性質を変え、吸着しにくくなるためです。
6.二番だしではダメ
このように、長い経験でいわれてきただしのとり方は、化学的に調べても合理性を持っています。しかしこの実験から二番だし、三番だしではおいしい成分を得るのは無理なことがわかりました。二番だし、三番だしというものは「味」というよりも大切なタンパク補給源として、昔、動物性のタンパク質が大事だととことん利用した名残ではないでしょうか。





